「朝ドラが残りわずかの段階でフィーチャーされる」という現象で思い出されるのは、3年前に放送された『あさが来た』の吉岡里帆さん。吉岡さんは、ヒロイン・あさ(波瑠)の娘・千代(小芝風花)の親友・宜を丸メガネ姿で愛きょうたっぷりに演じて注目を集め、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)、『カルテット』(TBS系)、『ごめん、愛してる』(TBS系)などの出演ラッシュにつなげました。
当時、吉岡さんは本広克行監督の映画『幕が上がる』、福田雄一監督の映画『明烏』に出演し、業界内で「面白い若手女優がいる」と噂されるなど、ブレイクの気配を漂わせていました。現在の小川さんも似た気配が漂っているだけに、まずは女優としてブレイクし、いずれは映画監督としても、文筆家としてもヒットを飛ばすのではないでしょうか。
将来、朝ドラのヒロインとして出演。あるいは、師事する是枝監督のようにカンヌ国際映画祭でパルムドール受賞……。これらが決して夢ではない大器だけに、早稲田大学卒業のタイミングで訪れたブレイクのきっかけをどうモノにしていくのか。もしかしたら小川さんは、平成に続く新元号を代表する存在になるかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。