◆「自費」への誘導に騙されてはいけない
予防歯科のシステムは、歯科医院によって多少異なるが、まず初診で口腔内の清掃状態をチェックし、「プラークスコア」として数値化する。同時に歯周ポケットの深さも測定する。患者が正しいセルフケアを身につけると、この2つの数値が変化するので、モチベーションを上げる効果もある。
同時に唾液検査で、口腔内に常在する細菌の種類や量を確認する。そして、最も重要な歯ブラシやフロス、歯間ブラシの使用方法をチェック。効率的な方法を指導されるはずだ。
ただし、予防歯科を始めた歯科医院の中には、患者の口腔ケアよりも売り上げを優先するところもある。ある経営コンサルタントは、「予防歯科」を入り口にして「自費の検査、セラミック、インプラント、ホワイトニング」などの収益性の高い治療に誘導することを勧めている。
予防のために通い始めたのに、ほどなくセラミック治療の話が始まった――そんな時は、迷わずセカンドオピニオンを取ることをお勧めする。
●レポート/ジャーナリスト・岩澤倫彦(『やってはいけない歯科治療』著者)
※週刊ポスト2019年3月29日号