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2019.03.23 07:00  NEWSポストセブン

星稜・林和成監督「松井世代に続く第3期黄金時代をつくる」

星稜高の林和成監督は松井秀喜氏の1学年下(写真:マスターズスポーツマネジメント)

 いよいよ開幕する春の選抜高校野球。大会初日の第3試合で履正社と対決する星稜高校には甲子園の歴史を彩ってきた伝説の試合がある。箕島との延長18回や松井秀喜氏の5打席連続敬遠…。しかし、春夏合わせて31回出場を誇る名門校は、まだ一度も全国の頂点に立ったことがない。高校大学球児向けフリーマガジン「サムライベースボール」の発行人である古内義明氏が、名将・山下智茂監督(星稜高校野球部名誉監督)から2011年にバトンを受け継いだ林和成監督に、ドラフト1位候補の奥川投手、先輩・松井秀喜、そして全国制覇への決意について訊いた。

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 昨年、北陸地方を襲った大雪が嘘のようだった。「この時期に、こんなに良いグランド状態は珍しいですよ」。名将・山下智茂の息子で、部長の山下智将はトラクターを巧みに操って、黒土が敷かれたグランドを丁寧に整備していた。ほどなくして姿を現した林監督は、高1の夏の甲子園ベスト4、翌2年の夏は松井秀喜氏と三遊間を組んだ。日大を卒業後、1998年よりコーチ、部長、監督を歴任し、星稜の伝統を守り続けいている。

──3季連続甲子園出場は、林イズムが確実に浸透してきた証ですか?

林監督「強豪の星稜中学校からの進学してくる生徒と、高校から入学してくる生徒の2通りの強化の仕方がありますが、その流れがうまくいっていると思います。新チーム発足から数か月でチームを作り上げていくのは大変難しいことです。私自身も秋に新チーム発足してから勝てないことが続いていました。夏の甲子園に、5人の1、2年生が出場している年があり、周囲からも、「秋の大会は間違いなく優勝狙えるね」と言われていましたが、北信越大会の初戦で敗退してしまったことがあります。その時の反省が今に生きていると思います」

──その秋季大会で、勝てるようになった要因はどこにあるのでしょうか。

林監督「夏の完成したチームのイメージが残っていて、細かい点を含めて出来ないことに対して、叱ることが多かったです。夏の完成したチームのイメージで指導していたので、当然私の要求の質も高くなりますが、生徒たちはそれが理解できず、生徒と私の距離感がうまくかみ合わなかったことがありました。そこで、荒山善宣コーチ(同校OB)から、『少し目線を下げてみてはどうだ?』とアドバイスされ、いきなり完璧を目指すのではなく、伸ばせるところをまず伸ばしていこうと考えるようになりました。叱る回数、細かい点についてもあまり言わないようにして、飲み込むところはぐっと飲み込むようになりました。どんどん成功体験を植え付けるイメージで接するようにすると、新チームが秋の大会でグンと成長していく姿を見たように思います」

──「自立」したチーム作りを目指すということでしょうか。

林監督「『自立』と言うのは私の中での一つのキーワードです。信じるところは信じたり、生徒たちだけの力だけで、問題点や改善点を考える時間を作ってあげたりしました。1から10まで言わないように、心掛けるようにしました」

──星稜中学校が強いのもメリットなのでは?

林監督「しっかりと教育してくれるのでありがたいです。中学の方が厳しいくらいなので、やんちゃな生徒は高校まで上がって来ません」

──考えるという点においては、山瀬慎之介主将を中心にミーティングを重ねたのでしょうか。

林監督「3、4年前から、昼休みにキャプテンに練習メニューやポイントを練習前に伝えるシステムにしました。キャプテンが練習を引っ張り、チームをまとめるようにすると、キャプテンの仕事量も必然的に増えてきて、山瀬は迷ったり、うまくいかなくなったりすることが多かったようです。私以上に、キャプテンと選手の距離感がうまくいかない期間が長かったようですが、それを乗り越えていくことで、山瀬と選手たちの互いの理解が深まったと思います。その結果、北信越大会や明治神宮大会の結果に繋がったと思います」

 新チームには、プロ注目のエースの奥川恭伸、と正捕手の山瀬のバッテリーの存在感が際立ち、「日本一のバッテリー」の呼び声も高い。秋の全国大会に位置づけられる明治神宮大会では、松井秀喜氏を擁した1991年以来の優勝は逃したが奥川の名前を全国に轟かせるに、十分な投球を披露した。奥川と山瀬は小学校2年生からのチームメイトで、宇ノ気中学時代は全国中学校軟式野球大会で全国優勝。中学日本一のバッテリーは揃って星稜に進学し、林監督の下、高校でも日本一を射程距離に捉えている。

──今年のチームを一言で表すと?

林監督「今年のチームはまだ完成しきっていないので、現時点ではまだ言い表せません。去年のチームは一番素直さがあったチームでしたが、今年のチームは秋の大会から一番伸びた学年だったと思います。チームのキャッチフレーズは、毎年選手が自分たちで決めて、今年は、『一味同心』にしました」

──このチームの一番の長所はどこですか。

林監督「野球の理解度が高いことと、よく練習することの2点です。選手の理解度が高いので、吸収が早いです。吸収が早いので、成長に繋がります。また練習についてはキャプテンの山瀬が一番練習します。それを選手たちが見て、放っておいても自主練習を行っています」

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