「妻が通うセミナーについてネットなどで調べてみると、主婦を狙った怪しいグループだということがわかりました。“良い生き方”をするために情報を購入したりセミナーに参加したりして、それを知人に紹介すると収入が増えるなんていう、まさにマルチまがいのやり方です。妻はビューティーアドバイザーとして、セミナーで知り合った主婦仲間の化粧についてアドバイスしわずかな収入を得ていますが、同じく主婦仲間のファンションアドバイザーやなんとかコンサルタントに金を支払っている。互助組織のようにも見えるが、ビジネスとしては完全に破綻している」(山下さん)
このように、専業主婦を狙ったゆるい「マルチ商法」ビジネスは、主にフェイスブックなどのSNSを使い、密かに拡がりつつある。事情をよく知る週刊誌記者は、これが専業主婦を狙い撃ちにした「貧困ビジネス」に似た商法だと指摘する。
「主婦を狙うマルチ商法、マルチまがい商法はいくつもありましたが、最近ではネットを使った情報商材ビジネスが、主婦層にも拡大し続けている。それも、地方に住む、庶民層、中下流層家庭の主婦がターゲットだからタチが悪い」(週刊誌記者)
マルチ商法や情報商材ビジネスの隆盛も今は昔。ネット情報や口コミで悪評が広まり、こうしたインチキビジネスへ足を踏み入れる人々が減った。このタイミングだからこそ、狙われるようになったのは庶民的な家庭の主婦だ。彼女達はスマホを所有し、SNSもやっているものの、それを悪用した商売についての知識には疎い。疑わない専業主婦たちに「夢だ」「ビジネス」だと耳障りがよい言葉ばかりを吹き込み、取り込むのである。
「実は首都圏にもこうした詐欺まがいのグループがいます。多額は詐取しないが、ゆっくりジワジワ、真綿で首を締め上げるように金を巻き上げる。あなたは素晴らしい、美しい、やればできるなどとおだてられて気分がいいから、主婦たちは騙されていると気がつきにくい。そのため、夫や家族に言われても盲信から抜け出せない。そのうち夫や親族と不和になったり、家庭が崩壊したりする。そうして孤立した主婦に言い寄ってくるグループの別メンバーが、ことば巧みに風俗で働くよう促したり、中にはアダルトビデオに出演させたりする例もある」(週刊誌記者)
SNSで家庭や家事に関する不満を述べていたり、金銭的な不安を書き込んでいる主婦などは特に狙われやすい。あなたの妻や彼女、親族にある日突如、見ず知らずの人物から「ビジネス」に関するメッセージが届くかもしれない。そして、その「ビジネス」がまともなものなのかどうか不安になっていると、いますぐ取りかからないと出遅れると急かされ、妻が抱いた旦那や家庭への不満に同調し、焚きつけてくるはず。この時最も重要なのは、ネットやSNS以外の交流をしっかり持っておくこと。家族がダメなら友人でも親でも、親族でもいい。仮想世界ではない、現実世界の繋がりなくしては、あっという間に連中の養分にされてしまうのだ。