「校外授業」に名を変えつつある遠足。かつては“バナナはおやつに含まれるのか”が議論になったが、「最近は、おやつを禁止する学校が増えています。学習の一環ということと、“お菓子交換”による食物アレルギー事故などの防止が理由」(石川氏)だという。
個人情報に対する“意識の高まり”で、学級通信などに写真を載せる際にも制約が出てきている。千葉県船橋市の小学校教諭・城ケ崎滋雄氏が語る。
「写真の使用については、年度初めに書面で保護者の承諾を取り付けます。拒否されたご家庭の子は写真を載せないよう配慮しますが、逆に『ウチの子はあまり載らない』というクレームもある。教員は児童ごとの登場回数を正の字を書いて記録しています」
ネットやSNSで、子供の写真が悪用されないとも限らない。学校側が慎重になるのも致し方ないのかもしれないが……。小学校2年生の孫の授業を参観した埼玉県在住のBさん(68)がため息をつく。
「入学式で孫がクラスメートと仲良くしている写真を撮っていたら、先生から『他のお子さんが写り込む時は保護者の許可を得てください』と叱られました。めでたい席なのに記念撮影も自由にできないなんて……」
個人情報保護の観点から、緊急連絡網を作らない学校も増えている。臨時休校や学級閉鎖など、学校からの緊急連絡は一斉メールで来るのが当たり前だ。となると、孫からねだられたスマホ、やっぱり必要かも……。
※週刊ポスト2019年4月12日号