国際情報

金正恩氏の政策矛盾が露呈、平壌や新義州のマンション暴落

要人暗殺の厳罰化が金正恩の危機感を表している

体制はガタガタか

 北朝鮮では最近、金正恩朝鮮労働党委員長の肝いりで建設された首都・平壌や中国との国境地帯にある経済都市、新義州の新築高級マンションの値段が急落している。米朝首脳会談が不調に終わったことが大きく影響しているほか、金氏が推進している汚職撲滅運動なども不動産価格を押し下げているようだ。米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 金氏はここ数年、平壌市内のタワーマンション団地建設に加え、中国との国境に面する新義州全体を再開発するという巨大プロジェクトをぶち上げた。これには高級幹部や北朝鮮の新興富裕層である「金主(トンジュ)」に対して、これらの不動産物件に投資させることで利益を出させ、自身への支持を取り付けようとする思惑が働いているとみられる。

 しかし、ある平壌市民がRFAの取材に対して明らかにしたところでは、平壌の高級マンションは販売不振で、価格が大幅に下落しているという。

 米朝首脳会談で北朝鮮に対する制裁解除が実現せず、投資家の心理を萎縮させているのが大きな理由だという。さらに、もっと大きな理由は金氏が行っている汚職撲滅運動である。北朝鮮の情報筋はRAFに対してこう指摘した。

「マンションを複数買えば、その資金について保衛部に疑いを持たれてしまう。そのため多くの幹部は購入をためらっている」

 同筋はさらに、「金氏は不動産市場を活性化しようとしているのだが、金氏自身が腐敗闘争を展開したことで、高価な不動産物件を持っているだけで、保衛部から目をつけられるのは明らか。つまり、金氏はこれらの幹部の心の動きが分からないがゆえに、自ら墓穴を掘った形だ」と指摘している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
〈一緒に働いている男性スタッフは彼氏?〉下北沢の古着店社長・あいりさん(20)が明かした『ザ・ノンフィクション』の“困った反響”《SNSのルックス売りは「なんか嫌」》
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン