退職金と年金の額は同じなのに、AさんとBさんが手にするお金は大きく違う。それはひとえに、退職金や年金を預けた口座の金利の違いによるものだ。
虎の子の老後資金をなるべく減らさずに暮らすには「60歳からの銀行口座選び」がカギとなる。では、「どのタイミング」で「どの預金口座」を選ぶべきなのか。年齢とライフスタイルによって、口座の考え方は変わってくる。最初の口座切り替えのタイミングは、定年退職時にやってくる。
「退職金はそれまでの給与振込口座ではなく、各金融機関が用意する『退職金専用定期預金』に変更するべきです」
そう解説するのは、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏だ。
「各銀行の退職金専用定期の預入期間は1~6か月と短いですが、そのぶん金利は0.5~1%程度。一般的な普通預金(0.001%)と比べても500~1000倍という高利率に設定されています。
また、メガバンクよりも地方銀行や信用金庫など中小の金融機関の退職金専用定期のほうが金利が高い傾向にあり、なかには2%超の優遇があるところもあります」
退職金専用定期の開設は「退職後1年以内」という条件がつく場合が多い。