実はLGBTを扱ったドラマの放送ラッシュは、一年前にも起きていました。

 LGBTをモチーフにした作品は、昨年の上半期だけで、『女子的生活』(NHK)、『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)、『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日系)、『弟の夫』(NHK BSプレミアム)、『半分、青い。』(NHK)、『おっさんずラブ』、『家政夫のミタゾノ』が放送されていたのです。

 今春の作品では、『きのう何食べた?』はテレビ東京の“飯テロ”を進化させた。『俺のスカート、どこ行った?』は絶滅しかけている学園ドラマの救世主となりそう。『腐女子、うっかりゲイに告る。』は90年代の純愛ドラマを彷彿させるなど、LGBTをモチーフにしたことのメリットが一年前の作品より大きくなっている感があります。

 ただ、LGBTのキャラクターが当然のように設定され、視聴者も当然のものとして受け止めている欧米と比べると、まだまだ特別な存在として扱われているのが現実。その意味で現在は、「LGBTが個人を尊重する社会の象徴ではなく、当然の存在として描かれるようになる」ためのステップを一歩一歩進んでいる最中なのかもしれません。昨年の上半期がホップ、今春がステップ、そして来年がジャンプと、三段跳びのように大きく前へ進んでいけるのか。その動向に注目してみてはいかがでしょうか。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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