当時のセ・リーグ記録と思われる王貞治に並んだ33試合目、破った34試合目も連続試合出塁のトピックは見当たらない。40試合目に到達した5月30日の南海戦でも触れられていない。この日、西武はチームの月間本塁打数が50となり、当時の日本新記録を達成(最終的には51本)。紙面はその出来事に焦点を絞っていた。

 5月31日の日本ハム戦で、スティーブの記録は止まる。この時は、さすがに話題にするのではないか。翌6月1日、西武対日本ハム戦を伝えるスポーツ紙の見出しを並べてみよう。

 日刊スポーツ〈ハムかうぞ 西武を逆転 大沢親分反抗宣言〉
 スポーツニッポン〈“広岡監督300勝”フイ 6回ドタバタ西武劇〉
 報知新聞〈テリー18号、西武無念 月間51発 古屋逆転6号〉

 記事を読むと、ショート石毛宏典とセンター岡村隆則が交錯してフライを落とした6回表に逆転を許し、西武が敗戦したことを中心に伝えている。

 そんな中、デイリースポーツが『データスコープ』というコーナーでこう記していた。

〈昨年の十月二日の日本ハム13戦以来44試合連続出塁中のスティーブ。7回に敵失で出塁したが、敵失は出塁記録にならないため、この記録はストップ〉(1983年6月1日付)

 小さな囲み記事で、わずかに触れられていただけ。2019年の坂本勇人の記録は連日各紙を賑わせていたが、1983年のスティーブは全く注目されていなかったのである。

 その証拠の1つとして、月間MVPに触れてみよう。5月26日にパ・リーグが『5月度月間MVP候補』を発表し、11人の中にはスティーブの名前もあった。しかし、最終選考は月間4勝の東尾修(西武)、鈴木啓示(近鉄)、月間13本塁打の田淵幸一の3名に絞られ、田淵が受賞した(当時は各リーグ1人ずつの選出)。1975年制定の同賞第1号である田淵は、初のセ・パ両リーグでの受賞に。選考理由はこう報道されている。

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