また、なぎさ被告は日頃から娘の行動を監視し、《びっくり。勝手に冷蔵庫から飲み物を出していたよ》《また自分から『お茶ください』と言っているよ。マジでお前は何様かという感じだしむかつくね》とLINEで勇一郎被告に告げ口していたのである。
いくら夫の暴力が怖いといっても、愛娘への虐待に加担し、見殺しにできるものなのか。精神科医の片田珠美さんが指摘する。
「暴力に支配された人間は従わなければ自分が殴られるから、自己保身のために服従します。夫に告げ口していたことは“殴られるのは心愛ちゃんに至らないところがあるからだ”と考え、自分たちの暴力を正当化しようとしたせいだと思います。なぎさ被告は勇一郎被告の支配と監視により、孤立していた。誰にも助けを求められず無力感を強めた結果、彼女は思考停止に陥った。そして、より一層服従していったのでしょう」
公判の最後、「何か言いたいことはありませんか」と裁判長から聞かれたなぎさ被告は沈黙したままだった。検察側の求刑は懲役2年。閉廷まで、なぎさ被告から謝罪の言葉は発せられなかった。
※女性セブン2019年6月6日号