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京大変人教授の代表格 ユニークすぎる研究の手法とは

 官僚的なイメージが伴う東大に対し、全国から“奇人”が集うユニークさで知られる京大。生徒以上に個性的なのが教授陣だ。研究に懸ける異常な情熱は、時に世間から“非常識”と見られてしまうことも──。『京大変人講座』(三笠書房)が累計2万5000部のベストセラーになっているが、知れば知るほどオモロイその生態をレポートする。

「最も京大らしい京大教授」「京大変人教授の代表格」を自任するのが、人間・環境学研究科の酒井敏・教授だ。

 酒井氏の専門は地球流体力学。2006年に開発した「フラクタル日よけ」で知られている。森の木の葉を再現し、日光を遮りながらも自らは赤外線を発しない日よけで、今や各地の都市計画で引っ張りだことなっている製品だ。

酒井教授が開発した「フラクタル日よけ」

 酒井氏は、発想もさることながら、研究の手法もユニークだ。

「研究が新しすぎて、そのために必要な部品や観測装置は世の中に存在しない。かといって予算はない。だから自分で作る以外ないのです。

 だから私はまずホームセンターの店員以上にホームセンターを詳しく調べ上げた。接着剤が着かない代表的な素材であるポリプロピレンにも使える接着剤を見つけ出し、そのポリプロピレンの棒を太い木に取り付けるのに最適な『しめしめ45』という結束バンドを発見しました。

 これがなければ私の研究は結実しませんでした。また、日よけに使うプラスチックシートの成型には、家庭のホットプレートを使っています」(酒井氏)

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