主軸の鈴木誠也は絶好調(時事通信フォト)

 だが、不調から立ち直ったかに感じられる広島にも解消できない悩みがある。チームのウリだったはずの「守り」の綻びだ。

「今季は開幕からエラーが多く、エラーが出た試合は勝ち星を逃すケースが多い。しかも、名手・菊池涼介(29)と田中広輔(29)の最強の二遊間コンビ“タナキク”が失策を重ねている。

 特に田中の不振は深刻。打撃でも打率1割台で不動の1番からも外れた。ケガを抱えながらプレーしていたとも言われ、交流戦には不安が残る。普段プレーしていない慣れない球場という環境の違いもありますからね」(スポーツ紙デスク)

 田中は5月から下位打線に回り、代わりに野間が切り込み隊長役に。今のところ代役を十分に果たしているが、普段対戦しない投手と当たる交流戦で調子を維持できるかは未知数だ。辛口評論で知られる江本孟紀氏は投手目線でこう話す。

「アドゥワ(誠、20)が先発ローテーションに食い込んできましたが、広島は依然として投手陣が心許ない。投手陣さえ揃えば、交流戦をなんとか乗り切って、その先に4連覇も見えてくるが……」

 万年Bクラスだった広島をリーグ3連覇にまで引き上げた名将・緒方孝市監督(50)は就任5年目の難局を乗り切れるか。

※週刊ポスト2019年6月7日号

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