しかしその数がハンパではない。二〇一三年に見たのは五百三十三本で、以降さらに増えているだろう(一日五、六本見る日もざらだ)。もちろんDVDではなく映画館でだ。
巻末にその二〇一三年から二〇一八年に至る日記が載っている。教えられたことは数多い。例えば田宮二郎主演の『夜の縄張り』で、田宮が経営するレストランの入口のショウケースの上で『話の特集』が販売されていた(二〇一三・五・九)とか、降旗康男監督の『裏切りの暗黒街』は一九六八年の渋谷と原宿が描かれている(二〇一六・六・二)とか。次に上映される機会は絶対に見逃さない。それからシネマヴェーラのあとでタコベルのタコスを食べなければ(二〇一五・十一・四)。
※週刊ポスト2019年6月14日号