◆知名度がありながら裏方に徹する理由
「ジャニーさんらしいのは、世界の晴れ舞台にもかかわらず、ギネス世界記録に掲載する写真はキャップにサングラス姿で素顔を隠したこと。ジャニーさんは鬼才といわれた演出家、プロデューサーでありながら、誰よりも裏方に徹したいという思いが強い」(芸能レポーター)
2002年、ジャニー社長は「永年のショービジネスに対する多大な情熱と功績」を評価され、演劇界の功労者に贈られる菊田一夫演劇賞特別賞を受賞した。しかし、その授賞式にも姿を見せず、堂本光一が代理出席した。
「オーディション現場でも、ほかのスタッフに交じって準備をします。誰もそこに社長がいるとは思わない。そうしたフラットな状態で、彼らの話し方や仕草を観察してから、オーディションに移るのです」(スポーツ紙記者)
裏方としての仕事ぶりは徹底的だ。
「長年取材をしているメディア関係者やお世話になった人には、プレゼントを欠かしません。それも、自分が本当に気に入った食べ物や家電などを贈ることが多い。コンサートの打ち上げでのケータリング1つにも注意を払い、お寿司など豪華なものを用意する。簡単なもので済ませようとした同業者に“それはダメ”とアドバイスしたこともあるそうです」(音楽業界関係者)
細やかな心遣いは、所属タレントにも向けられる。こんな目撃談がある。場所は新大阪駅。時期は、中山優馬がまだデビューする前のことだ。
「その時、大きなキャリーケースを運んでいたのは中山さんではなくジャニーさん。優遇するべきはタレントで、自分は裏方という自覚がそうさせていたのでしょう」(出版関係者)
今回の緊急搬送が大きく報じられないのは、そんなジャニー社長の思いが強く伝わっているからだろう。
「一方で、ジャニーさんは日本の芸能界を動かす経営者でもある。その経営権を誰が握るのかというのは今後の芸能界を左右すること。90人以上のタレントを抱え、1000億円を稼ぐといわれるほどの大企業を一代で築いたジャニーさんの“後継者”になるわけですから注目しないわけにはいかない。一部では滝沢秀明さんが後継者といわれていますが、それはあくまで舞台や演出など一部でのこと。そういう意味では、ジャニーさんは“タレントはタレントが育てる”という考えを持っているので、後継者はタレント全員。みんなでジャニーさんの思いを背負っていくでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
※女性セブン2019年7月11日号