ビジネス

航続距離延びた日産「リーフe+」に立ちはだかる怪物テスラ

航続距離が458kmに延びた日産「リーフe+」(熊本・八代の球磨川河口にて)

航続距離が458kmに延びた日産「リーフe+」(熊本・八代の球磨川河口にて)

 カルロス・ゴーン元会長逮捕の余波もあり業績悪化に喘ぐ日産自動車だが、先行するEV(電気自動車)開発では他メーカーを圧倒している。年初に発売した「リーフ」の高性能版はEVの弱点だった航続距離を大幅にアップさせているが、果たしてその実力は本物なのか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が試乗レポートする。

 * * *
 カルロス・ゴーン前CEO(最高経営責任者)の肝煎りでEV戦略を推し進めてきた日産自動車。EVそのものの難しさはともかく、EVを普及させるための策を一番打ってきたことは確かだ。

 全国のディーラーの過半に急速充電器を設置し、1か月2160円という出血大サービス価格で使い放題というサービスを展開。最近はこれまでの約2倍に相当する最高出力90kWの最新型充電器の設置も少しずつ始まっている。

 日産がその最新の充電器に対応したEVを発売したのは今年1月。主力モデルであるCセグメントコンパクトEV「リーフ」のバッテリー容量を標準型の40kWhから62kWhへと1.5倍に増やした「リーフe+(イープラス)」だ。

 果たしてその使い勝手はどうか。日産グローバル本社のある横浜から九州の南の果ての鹿児島まで約1500km、あちこちを見物しながら走ってみた。筆者は昨年、ほぼ同じルートを標準型の現行リーフで走っているので、どう変化したかも観察してみた。

 実際にイープラスで鹿児島まで走破してみた総評だが、標準型に対するアドバンテージは予想以上のものがあった。片道1500kmという距離になると、もちろん何度も充電しなければならないことに変わりはない。鹿児島到着までの急速充電回数は7回半(半は15分充電)と、延べ15回を要した標準型に対して文字通り半減した。

 まだ7回半も? と思う人も多いことだろう。しかし、ドライブを貫徹してみた実感としては、1回30分の充電が7回と14回では感覚がまるで異なる。いいとこ「準急」くらいであったのが、「急行列車」になったような気分だ。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン