充電したのは、愛知の三河安城、同じ愛知の一宮(☆)、兵庫の姫路(☆)、広島の三原(15分)、広島(☆)、山口・下関手前の長府、福岡南部の久留米(☆)、鹿児島北部の出水。☆印をつけたのが定格90kWの新型急速充電器である。
40kWh版で延べ15回充電したときは昼間は観光のための時間、夜は交通の流れが良くなり移動距離が稼げる時間を充電で30分ずつ頻々と食われることから、ドライブがさっぱり前に進まないという印象があった。
だが、イープラスではもはやそういう制約は感じられなかった。もちろん観光スポットでもないようなところで時間を30分食われるのはタイムロス以外のなにものでもないので、できればもっと充電時間を詰める研究は進めるべきだ。
それでもイープラスのツーリング感覚は逆境に耐えるようなドライブをしていたこれまでのEVとは違った。クルマで移動することの最大のメリットである自由自在さを味わえるボーダーラインを越えるレベルにいきなり来たというのが、率直な感想だった。
ちなみに満充電状態からの航続性能だが、エアコンフル稼働のうえ、効率を無視して高速、一般道バイパスとも最も速い流れに乗って走ってもスタート地点の横浜から愛知県の名古屋までは無充電で届く水準にあった。
前回の40kWhリーフのときは残量100%で出発後、226km地点の静岡・浜松の手前、磐田で残り4%まで減り、天竜川を越えられなかったことに衝撃を覚えたものだった。が、62kWhのバッテリーになると、標準型でのドライブがEVの苦手とする冬季だったことを差し引いても、さすがに余力が圧倒的に違う。
残量約40%で天竜川を渡って浜松を過ぎ、さらに県境を越えて愛知に入る。330km走行地点の三河安城でひと休みをかねて1発目の充電。計器上の残量は12%、航続残は50km。名古屋市内の急速充電スポットまで行くことは十分にできそうだった。
そうしなかったのは、名古屋市心部より距離がある一宮市に90kW充電器があり、それを試そうと考えていたからだ。三河安城から一宮の充電スポットまでは途中で名古屋港湾部や名古屋芸術大学などに寄り道しても実測64kmだったので、少しスピードを緩めれば横浜から一宮までであっても無充電で到達できたかもしれない。