冒頭で“購入する”スタイルを紹介したが、購入という点でいえば会員制ホテルの人気は高まっている。形態としては、募集口数で割った持分を所有する所有権付会員権、利用する権利だけ持つ利用権制、預託金制など様々であるが、中でも“ポイント制”は多く見られる。利用する権利をポイント購入し、ポイントに応じて回数分利用できるスタイルで、法人が社員の福利厚生などに利用するケースも顕著だ。
最近、プリンスホテルが会員制ホテル事業に乗り出すことがニュースになった。名称は「プリンス バケーション クラブ」。第1弾として、軽井沢 浅間プリンスホテルの敷地内にヴィラタイプの「プリンス バケーション クラブ ヴィラ軽井沢浅間」、ホテルタイプの「プリンス バケーション クラブ 軽井沢浅間」を2019年7月8日に開業することを発表した。
会員権の販売は東急不動産と連携し東急リゾートに販売の一部を委託。会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ」の会員との施設の準相互利用も2019年7月から可能にする。滞在価値の向上のため敷地内には温泉棟を新設、ホテル棟と温泉棟の間はモノレールも新設するという。
長期ステイ、住まうように滞在するという点では、ホテルにレジデンス(高級分譲アパート)を併設するスタイルも増えている。レジデンス部分を分譲することにより投資資金を回収できるし、建築コストのリスクを緩和する狙いもある。付帯施設はもとよりホテルライクなサービスとレジデンスは相性が良いのだ。
レジデンス、ホテルライクといえば、「サービスアパートメント」というワードも見かけるようになった。一般のマンションとの違いは、家具や家電をはじめ調理器具から食器までついていることや、室内の清掃、コンシェルジュサービスが受けられるといった点も魅力として挙げられるだろう。何より敷金・礼金が不要だ。
洗練されたサービスと高級感で人気なのはオークウッドブランド。都心を中心に最近では新大阪にも開業した。“オークウッドプレミア”“オークウッドレジデンス”“オークウッドアパートメンツ”といった多彩なスタイルの施設を利用目的に応じてフレキシブルにセレクトできる。