ただしこうした内部書類については、マンション購入者などの第三者に閲覧させることは義務ではないため、あくまで任意で閲覧をお願いすることになります。言い換えると、閲覧に応じるマンションはその情報開示姿勢だけで好感が持てるということです。自らのマンション管理運営に自信があるとか、情報開示の重要性を理解しているといった組合員が多いからこそです。
では、こうした書類を確認できない場合はどうすればよいのでしょうか。
中古マンションの管理状態が見えない、見えにくい“レモン市場”(情報が売り手と買い手で非対称的な市場)といった状況の中では、その本質を見定めるのは極めて困難です。しかしそのような中でも、誰にでも一定程度の見極めができる簡単なノウハウはあります。
まずは「見た目」からです。中古マンションを見学する際には、いきなり室内(共用部)には入らず、まずは「共用部」をじっと見つめてください。例えば「外壁」。昨今のマンションはタイル張りが主流ですが、ざっと見渡してみて、タイルが剥がれているところ、あるいは浮いているようなところはないでしょうか。タイルは落下すればたちまち凶器となり得るうえ、このような状況を放置していれば躯体そのものが長持ちしません。
もしタイル落下、浮きなどの症状が確認できたら次は、マンション管理組合がその状況を把握しているか、またそれについてなんらか対処を行う予定があるかを確認しましょう。これは、不動産仲介担当を通じて管理組合に確認してもらってもいいですしし、管理人がいれば尋ねてみてもいいでしょう。