国内

京アニ放火の大きすぎる損害、新作3本公開中止と精鋭の命

30人以上の命が失われた(共同通信社)

 身勝手な犯行が奪ったものは、あまりにも大きかった。7月18日、凄惨な放火事件に見舞われた「京都アニメーション」(京都市伏見区)は、世界的な知名度を誇るアニメ会社だった。アニメジャーナリストの渡辺由美子氏が語る。

「放火被害に遭ったのは、制作現場の中枢である第一スタジオでした。アニメ制作において、作画を国内外の下請会社に発注することは多いですが、京アニはそれを良しとせず、監督、演出、作画など精鋭のクリエイターをこのスタジオに集結させ、社内の連携を密にすることで高いクオリティの作品を生み出してきました。そうした独自の環境、優秀なアニメーターの命が失われたことが残念でなりません」

 多数の人気作を輩出してきただけに、その“損失額”も計り知れない。

「発表されているだけでも4本の“京アニ発”の新作映画の公開が予定されていました。9月公開の1本は完成していて公開される見込みですが、残り3本の公開は難しいとみられている」(業界関係者)

 過去の京アニ作品は大きな利益を生み出していた。『聲の形』(2016年)が興行収入23億円、『けいおん!』(2011年)が同19億円の大ヒット。『けいおん!』のDVD・ブルーレイは110万枚を売り上げた。近年は毎年3~4本の新作を発表し、どれも2億~4億円の興行収入を記録していた。

 多くのファンが京アニの再建を待ち望んでいるが、「その目途はまったく立たない」(別の業界関係者)状況だという。

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト