「コメディNo.1」で人気を博した前田五郎が経験したヤクザの仕事とは
「ある時、僕が新大阪駅に降りたら、パンチパーマで金のネックレスの男たちが50人ほどずらっと並んどった。そこに着物を着た柳川次郎(山口組系初代柳川組組長)さんが降りてきて、僕の顔を見て『おう、五郎さん!』と声をかけてくれた。その後、柳川の親分に耳打ちされた子分が寄ってきて、『親分からです』と10万円の札束をスッと手渡されたんや。たまたま居合わせただけでですよ。
ほかの芸人も似たりよったりで、ヤクザとゴルフに行っただけで50万円貰った奴もおります。
僕がいちばん覚えているのは、山口組直参の親分の新築祝いやね。行ってみると、1500坪の敷地に本瓦の大豪邸で、ほんまにビックリしましたわ。その場で漫才はやらず、さんざん飲み食いした後に少しだけトークを披露すると、帰り際に100万円もらえた。こんなんやから、当時、会社の仕事とヤクザの仕事の割合は4対6くらいやった。闇営業のギャラはトッパライ(現金払い)だったからありがたかった。
でも、これは吉本も公認やった。幹部も社員もどんどんヤクザの仕事をくれた。大崎(現会長)だって表ではああ言うけど、僕は彼を通じてヤクザの闇営業に行ったことがあったんやから」
※週刊ポスト2019年8月16・23日号