国際情報

文在寅大統領の浅はかさ、次の次の外交戦略を考えられない

文大統領の外交戦略は何が悪い?(イラスト/井川泰年)

文大統領の外交戦略は何が悪い?(イラスト/井川泰年)

 日韓関係が悪化したまま、改善の兆しが見えない。韓国、とくに現在の文在寅大統領とは、どのように付き合ってゆけばよいのか、経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。

 * * *
 日韓関係が冷え込み、過去最悪の状況になっている。周知の通り、日本が半導体やディスプレイの製造に必要な化学材料3品目(フッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素)の韓国への輸出規制を強化したことをめぐり、両国政府間で非難の応酬が続いているのだ。

 韓国では、日本製品不買運動や訪日旅行自粛、在韓日本大使館への抗議行動など反日の動きが報じられ、文在寅大統領もこの輸出規制強化が「日本経済により深刻な打撃を与えることになる」と警告した。しかし、日本側にすべての責任を押しつけるかのようなこうした姿勢は、文大統領の浅はかさの証明でもある。

 外交というものは「次」の展開だけでなく、「次の次」まで考えて様々な布石を打っておかねばならない。ところが、文大統領の言動を見ていると、先の展開を何も考えていないのではないかと思わせるほど、その対応は浅薄でお粗末だ。

 そもそも、国際社会における現在の韓国の地位はいかに築かれたものなのか。それは、西側陣営に入ってアメリカと同盟を結び、日本の技術や製品に学んだり日本の部品や機械を利用したりしながら、中国の巨大な市場と安価な労働力を活用することで、輸出大国としての今日の繁栄を築くことができたのである。しかし、そうした歴史を忘れた文大統領は、まるで自力で繁栄したかのように振る舞い、日本叩きや国内の親日派叩きに躍起となっている。そうすれば支持率が上がるからで、実際、7月中旬の世論調査では47.8%から50.7%に上昇している。

関連記事

トピックス

趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田文雄が「闇将軍」になる亡国自民党ほか
NEWSポストセブン