スポーツ

高校野球で商業・工業高校が勝てない時代に今年は異変発生

明石商の来田涼斗は「藤原恭大二世」とも呼ばれる

 スポーツ強豪校といえば資金が潤沢で、全国から強豪選手を集めやすい私立というイメージが強い。高校野球の世界でも全体的にその傾向は強いが、今年は広島商、熊本工など伝統ある公立校が甲子園出場を次々と決めた。ノンフィクションライターの柳川悠二氏が、14校出場する公立高校の注目ポイントをレポートする。

 * * *
 昨年、甲子園で旋風を巻き起こした金足農業がファンの心を打ったのは、マウンドをひとりで守った吉田輝星(現日本ハム)というスターの存在と共に、金足農業が公立高校だったことが背景にある。

 2017年夏の甲子園は49代表校のうち公立は8校。100回の記念大会で、55代表校だった昨年も同じ8校。少子化や野球人口の減少によって、豊富な資金力のある私立に、有望選手が集まる傾向は年々、強くなっている。結果、高校野球の草創期から昭和にかけて、甲子園で活躍した商業・工業高校が勝てない時代となっているのだ。

 ところが、今年は異変が起き、公立校が一気に14校にまで増えた。中でも、春1回、夏6回の優勝実績のある伝統校・広島商の復活は象徴的な出来事だった。

 近年は広陵、広島新庄など、私立の後塵を拝し、夏の甲子園からは15年も遠ざかっていた。昨春に発覚した不祥事を受け、監督に就任した荒谷忠勝監督は、選手に一日1000スイングの猛練習を課すことで立て直しに着手し、伝統の機動力にパワーを加えた。今大会前にはOBの達川光男氏が母校を訪れ、指導にあたったという。荒谷監督は勝因をこう話した。

「いろんな広商関係者が支えてくれて、選手も伝統を守り、温故知新で頑張ってくれた。それに尽きます」

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン