芸能

吉本問題で注目 「事務所」「マネージャー」の仕事とは

闇営業騒動で問われた「事務所」の役割とは(撮影/平野哲郎)

闇営業騒動で問われた「事務所」の役割とは(撮影/平野哲郎)

 闇営業問題に端を発した吉本興業をめぐる一連の騒動では、「そんなに事務所が嫌なら辞めればいい」といった意見も見られた。しかし現実には、事務所に所属することは芸能人にとっては“生命線”なのだ。芸能事務所でマネージャーをしていた経験のあるライターの井上絵美里氏が解説する。

 * * *
 7月22日に行われた吉本興業・岡本昭彦社長(52)の会見のあと、事務所とタレントのギャランティの配分の割合が話題になった。

 岡本社長は「会社が9で、タレントが1ということはない」と主張。それに対し多くの芸人から「これしかもらってない」といった“告発”が相次ぎ、さらに大平サブローらベテラン芸人からは「嫌なら辞めろ」といった反論が飛び出した。

 確かに、1か月に数千円、あるいは数百円しかもらっていない芸人も少なくないだろう。ならば事務所を辞めてフリーになればいいのかといえば、そうではない。

 一般的に、事務所やマネージャーは“舞い込む仕事”の管理をしたり、タレントのスケジュール調整をしたりといった役割があると思われているが、何より重要なのは「売れるチャンス」を作ることなのだ。その意味でタレントにとって事務所に所属することは大事なことと言える。

 ある事務所でマネージャーをしていた私が体験した「事務所の仕事」を紹介しながら、若手芸人が事務所に所属するメリットを挙げてみる。

 無名の若手タレントの場合、事務所に入っていればCMやテレビのオーディションの情報が入る。クライアントが求める条件に合えば、オーディションを受けることができる。 オーディションの情報は、会社あてに連絡が来ることもあるし、テレビのスタッフや広告代理店の担当者などから直接マネージャーに「こんなタレントいませんか?」と推薦を依頼されることもある。

 私がマネージャー時代にテレビのスタッフから依頼されたのは、「タレントのアンケートを集めてほしい」という内容だった。

 そのアンケートは、番組に必要なランキングを作成するといった単なる情報を求めただけではなく、アンケートを記入したタレントが、どれほどの知識やエピソードがあるかを確認するための、いわば書類選考のようなものだった。実際に、アンケートの回答を詳しく答えた一部の芸人が、番組に出演するための面接まで進んだ。

 当時、新人マネージャーだった私にアンケートを依頼したスタッフは、収録現場で名刺交換した相手だった。「こうやって芸人にチャンスが与えられるんだ」とわかる、印象深い出来事だった。その一件から「テレビのスタッフから見て、声をかけやすいマネージャーになろう」と思ったものである。

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン