天皇ご一家への期待は高まる(写真/JMPA)
新聞各紙の世論調査では、《女性天皇に賛成は78.3%》(5月14日産経)、《「認めるべきだ」は76%》(同月13日日経)、《認めることに賛成は79.6%》(同月3日毎日)と、おしなべて8割近くの国民が女性天皇実現に期待を寄せる。
ところが、そうした国民の大多数の思いと逆行する流れが、政治の場で起きている。
《皇位継承順位 維持へ》
《政府は安定的な皇位継承策の検討にあたり、現在の皇位継承順位を変更しないことを前提とする方向だ》
7月27日、読売新聞朝刊が一面でそう報じた。「男系男子」のみが皇位継承権を持つ現行のルールでは、継承権を持つのは継承順位順に、秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまのお三方だ。この夏が終わり、秋に新天皇即位に関する儀式が終われば、政府は有識者会議などの場を設けて、「安定的な皇位継承策」を検討する。ところが、議論は「女性天皇は認めない」という“結論ありき”で進めるのだという。
記事では、《愛子さまと悠仁さまのどちらに天皇に即位していただきたいかという論争になりかねず、国論を二分する可能性もある》とも指摘された。令和の御代となって約3か月、「次世代の天皇」への注目が増している。
これまでも、男性皇族の減少を見据え、皇位継承のルールについて議論されたことがあった。小泉純一郎政権下の2004年末、「皇室典範に関する有識者会議」が設置され、2005年秋には「女性天皇・女系天皇を容認し、皇位は第一子を優先する」という内容の報告書がまとめられ、翌2006年の国会で承認される見通しだった。つまり、この時点では、「愛子皇太子」誕生が既定路線だったというわけだ。
「しかし、その空気は2006年に一変しました。2月に紀子さまのご懐妊が明らかになり、9月に悠仁さま、つまり将来の男系男子の天皇が誕生したことで、皇室典範の改定を急ぐ必要がなくなり、女性天皇をめぐる議論は立ち消えになったのです」(皇室ジャーナリスト)
それから13年が経ち、議論が再開される。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんが指摘する。
「『皇位継承順位は変更しない』という前提で政府は議論を始めると一部で報道されましたが、事実なら小泉政権下とは違います。男系男子“優先”を決めた上で今後のオープンな議論が可能なのか。『皇位の安定的な継承』という根本の問題は“先送り”という政府の考えがうかがえます」
◆秋篠宮家のスタッフは「ご難場」