ビジネス

「冷凍チャーハン」100億円市場、各社こだわり開発の舞台裏

 こうした改良を加えた結果、開発陣としては、現行品から大きく変えづらくなったことが悩ましくなったという。消費者による試食でも現行品が改良品に評価で勝ることもしばしば。「味の記憶のストライクゾーンを外してはいけないので難しい」(奥村氏)という。

 冒頭で本格炒め炒飯への思いを語ってくれた冷凍王子・西川氏は、「米のパラパラ感はもちろん、口に含んだときの香りも秀逸。炒めたてのチャーハンの雰囲気がよく出ている。とにかくシンプルで、具材も特別なものはない。安心する昔ながらの中華屋さん的な味が、ロングセラーの理由でしょう」と評価する。

◆「冷凍チャーハン界の黒船」も登場し群雄割拠の市場に

 とはいえ、急成長を遂げる冷凍チャーハン市場は、ニチレイの本格炒め炒飯だけではない。今回、当サイトでは20~60代の男女約200人に好きな冷凍チャーハンに関するアンケートを実施した。すると、意外な結果が現れた。得票数でトップに立ったのは「本格炒め炒飯」(64票)ではなく、味の素冷凍食品の「ザ★チャーハン」(72票)だったのだ。

味の素冷凍食品の「ザ★チャーハン」

 ザ★チャーハンの発売は2015年で、本格炒め炒飯に比べると後発。だがパッケージに大きく「焦がしにんにくのマー油と葱油が香る」と書かれているように、がつがつと食べたくなる味と香りが特徴だ。

 冷凍王子・西川氏も、「“冷凍チャーハン界の黒船”と呼んでいます。ガツンとくる風味が特徴で、パッケージも黒に金文字という斬新なもの、さらに俳優・小栗旬さん出演のテレビCMの効果もあり、非常に“男ウケ”のいいチャーハンです」と評する。

 さらに水産大手マルハニチロも、「あおり炒めの焼豚炒飯」という定番ヒット商品を持つ。中華の名店「赤坂璃宮」のオーナーシェフ、 譚彦彬氏が監修し、あおる回数、時間、鍋肌の温度、具材投入タイミングのすべてをデータ化し、調理手順を完全に再現した世界に1台だけの炒飯製造機を開発したという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン