米粒ほどの大きさのマイクロチップ(写真/共同通信社)

 犬猫だけでなく、飼い主も“実害”を受ける可能性がある。動物評論家の三上昇氏が指摘する。

「チップの装着費用が犬猫の販売価格に上乗せされ、飼い主となる購入者の負担が増すことが考えられます。チップ装着の費用は数千円~1万円程度とされていますが、獣医治療は自由診療のため、獣医師が少ない地域では、より高額な価格設定にする動物病院が出てくることもあり得ます」

 改正法には、チップ装着や情報登録違反に関する罰則規定が無いことも問題視されている。

「チップの埋め込みを行なわない“闇業者”が出現する可能性もある。チップ装着費用を惜しんだペットショップが、『装着した』と偽って販売する事態も考えられます。

 登録した個人情報の管理体制が徹底されるかも不透明です。万が一、流出する事態が起これば、高級ペットを飼っている飼い主を中心に、悪質な犯罪被害が起こりかねません」(同前)

 ペットにも飼い主にも、最善の制度運用となることを願いたい。

※週刊ポスト2019年9月13日号

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