◆ドイツに比べると日本のドライバーは「ルール無視」
そうしたドイツのアウトバーンと、日本の高速道路での走りを比較すると、日本は全体にルールが守られていないことを痛感する。
まず、制限速度が守られていない。指定された速度よりも速い速度で流れているのが普通だったりする。また、工事や雨、きついコーナーの続く区間で、制限速度が低く抑えられているところも、速度を落とさないドライバーが過半数だ。
もっとも時代やクルマの進化にあわせて、制限速度を変更するという柔軟な道路行政の姿勢がないため、ドライバー的には低すぎる速度に設定されているという背景はあるだろう。とはいえ、制限速度厳守が緩いのは間違いない。
次に日本で守られていないのが、「追い越しは追い越しレーンを使い、普段は走行レーンを走る」というルールだ。いわゆる「キープレフト」である。
追い越しレーンを走り続けるのは、道路交通法違反であることを知らない、もしくは無視しているドライバーが多すぎる。その結果、流れ全体の悪化を招いている。こうした部分に、自動車文化の歴史の深みの違うドイツと日本の差を感じるばかりである。道路行政やドライバーの認識という点では、まだまだ日本は欧州に追いついていないのだろう。
ちなみに、高速道路上で相手のクルマを強制的に停めて殴りかかったり、相手にエアガンを撃つというのは、もはやマナーの次元ではなく、単純な犯罪行為。それらと、日本人ドライバー全体のマナーとあわせて語るのは、それこそ次元の違う話。犯罪者は、どしどし取り締まっていただきたいものだ。