もちろん、高校時代に小倉氏が猛練習を課していた松坂のような1年目からの活躍は見込めず、「大きな先行投資になる」としたが、その上でこう付け加えた。

「松坂はプロ1年目が一番良かった。その後、野球を舐めちゃったからああなった。その点、佐々木はそういう心配はなさそうだね」

 成長痛や腰の疲労骨折で投げられない時期が長く、大船渡でも慎重に、慎重に起用されてきた。忸怩たる思いもあったであろう佐々木は、たしかに“野球を舐める”という思考とは無縁に思える。あとは球団があくまで「先行投資」として、辛抱強く育てられるかだ。佐々木が真の意味で“令和の怪物”と呼ばれる日は訪れるだろうか。そうなって初めて、佐々木の交渉権を獲得した千葉ロッテは2019年のドラフトの勝者になる。

撮影■藤岡雅樹

※週刊ポスト2019年11月1日号

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