ライフ

SNSで起きる「ソーハラ」 上司や部下との軋轢を防ぐには

上司から「いいね」をリアルで求められるのはソーハラ

上司から「いいね」をリアルで求められるのはソーハラ

 ソーシャルメディア・ハラスメント、略してソーハラとは文字通りSNS上で起きているハラスメントのことだ。具体的にはどのようなものであり、どう対処すればいいのだろうか。SNSの最新事情に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、ソーハラのリスクと対処法、未然に防ぐ方法について解説する。

 * * *
「上司からFacebookで友達になることを強要された」「会社の先輩から投稿への『いいね』を強要された」などの経験はないだろうか。これが「ソーハラ」だ。ソーハラとはソーシャルメディア・ハラスメントの略であり、ソーシャルメディアを通じて主に職場などで上下関係を背景に行われる嫌がらせ行為を指す。

「上司とつながったので、何も投稿できなくなってしまった」とある20代OLはため息をつく。実名で顔写真を登録するFacebookでは「やっていない」と言い逃れができず、上司からの友だち申請を渋々受け入れたという。

 ある時には、同じ上司から「君、ゴルフに興味ないんだね」と言われてしまった。自分が上司のゴルフ投稿にリアクションをしていないことに嫌味を言われたと気づき、さらに気が重くなってしまったという。「これでは『いいね』が義務になってしまう。疲れたのでアカウントを消そうかと悩んでいる」。

 Facebookは幅広い年代に利用されているため逃げ場がないと、他のSNSに日常的な投稿先を変えても、似たような悩みがついてくる。若い女性が中心的ユーザーだと言われたInstagramでさえも、安心できる場所ではなくなってしまった。

 ある30代OLは、最近Instagramからの通知を見ると、先輩からの「いいね」やコメントでいっぱいになっていることが多いという。「投稿する度にすぐに『いいね』やコメントがついて、ストーカーされているように感じる」。

 さらに、「先日彼氏とワインバーに行っていたね。ワイン好きなの?」とInstagramにしか投稿していないことを職場で言われ、「セクハラではないか」と不快に感じたという。

 このようなものはすべて、ソーハラだ。ソーハラが行われるソーシャルメディアの種類は、FacebookやTwitter、Instagram、LINEなど多岐にわたる。

 ある女子大生は、シフトの調整のためにバイト先の店長とLINEを交換したところ、バイトの時間外でも店長からしつこくメッセージが届くようになってしまった。最近では、LINEを開くのも気が重くなってしまったそうだ。

「『今何してるの?』とか『バイトの後一緒にご飯に行こうよ』とか、バイトと関係がない連絡がたくさんくる。しかも既読がついてしまうので、返事をしないでいると『彼氏とデートで忙しいのかな』とか嫌味を言われる。時給はいいけれど、もうやめたい」。

 具体的には、以下のようなことが該当するだろう。

●友達関係や「いいね」の強要
●投稿に頻繁に「いいね」やコメントをする
●必要がないメッセージを頻繁に送る
●部下の投稿内容をリアルの場で持ち出す
●業務に関するメッセージをSNSで送りつける

 しかし、同じことをしても問題にならないこともある。すべて、相手が不快に思うか否かでソーハラになるかどうか変わってくるのだ。基本的に、仕事とプライベートを混同する公私混同があるとNGとなる可能性が高くなるので、注意してほしい。

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン