国内

サード、フォースオピニオンは危険 民間療法の見分け方

痛くない治療を受けるうえで情報の見極めは重要

 日々飛躍的に変化を遂げている医療。「痛い治療」しかなかったものが、そうではない新たな治療法が誕生しているということも多い。たとえば、がん治療。これまでは「手術」「放射線」「抗がん剤」が“3大療法”と言われていたが、最近は“第4の治療法”として、新薬オプジーボに代表される「免疫療法」も確立しつつある。

◆民間療法との見分け方

 では、最新の「痛くない治療」を受けるためには、どうやって医療機関を選べばいいのだろう。

 国立がん研究センターのがん予防・検診研究センター長を歴任した、東京ミッドタウンクリニックの医師、森山紀之さんはこんなアドバイスをする。

「主治医から苦痛が大きいと予想される治療を提案された場合は、がんセンターをはじめとした全国に400か所ほどあるがん拠点病院でセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。最新の知見を背景にした意見が得られるはずです」

 また、医師を選ぶ際は当該治療の専門医かどうかなども重要になってくる。医療に詳しいジャーナリストの村上和巳さんは言う。

「たとえば腹腔鏡手術なら、日本内視鏡外科学会の認定を受けた専門医であるかどうかを確認しましょう。その中でも症例数の多い病院の方がより経験豊富であることが多い」

 ただし、「痛くない治療」ばかりを求めていくと、治療効果の得られない、いわゆる“民間療法”に引っかかってしまう場合もある。森山さんは、見分ける術をこう伝授する。

「治療の内容を精査することが大事ですが、サードオピニオン、フォースオピニオンは求めない方がいい。自分の求める意見が出るまで医師を訪ね歩く“ドクターショッピング”につながるからです。気をつけないと『金の延べ棒でさすれば治る』的な怪しげなものにたどり着くことも。治療と並行し、痛みを取ることを専門とする医師のもとへ行く選択も重要です」

 痛みが少ない最新医療の恩恵には存分にあずかりつつ、受けるべき治療はきちんと受ける。これが正解だろう。

※女性セブン2019年11月7・14日号

痛みを緩和する医療用麻薬の適正使用料と実消費量

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト