堤義明氏は鉄道やスポーツなどに幅広く携わった(時事通信フォト)
清二は臆面もなく自らのホテルに“プリンス”と名付ける父の真意をこう解説し、そのホテルを「安手の宴会ホテル」と切り捨てたものだった。が、そうして作り上げた資産は、継承者の異母弟・義明を一時は世界一の金持ちにし、いずれ兄弟揃っての失墜を呼んだ。
西武グループから堤家が追放された今も残る「プリンスホテル」。それは成功を夢見て駆けずり回ったベンチャー起業家、堤康次郎とその一族の残滓に他ならない。
※週刊ポスト2019年11月8・15日号