焼け落ちる首里城正殿(時事通信フォト)
そんな沖縄の歴史・文化の集大成である首里城の炎上に、どれだけ美智子さまはお心を痛められたことだろう。前出の高良さんが語る。
「首里城の復元にあたって目指したのは、沖縄戦で破壊される直前のものではなく、琉球王国時代の首里城でした。写真に残されているのは、1879年に琉球王国が明治政府に併合されてから荒廃してしまった首里城のもので、王国時代の資料がほとんど残されていませんでした。
さまざまな歴史的資料を丹念に当たっていく過程で、東京・皇居の中にある宮内庁書陵部に保存されている資料も参考にしました。
両陛下は2014年6月に沖縄を訪問された際に私を呼ばれ、首里城復元について熱心に質問されました。その時、『宮内庁の資料が役に立ちました』とご説明すると、両陛下は『そうだったんですか』と驚いておられました」
皇室の力も一助となり、きっと首里城はその美しい姿を再び取り戻すことだろう。
※女性セブン2019年11月21日号