芸能

田代まさし5度目の逮捕で考察 『バカ殿』封印は正しいのか

『バカ殿』での田代まさしは喜劇人として最高(イラスト/ヨシムラヒロム)

『バカ殿』での田代まさしは喜劇人として最高(イラスト/ヨシムラヒロム)

 田代まさし容疑者が覚せい剤で5度目(薬物では4度目)の逮捕と報じられた。かつてテレビっ子だったイラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、こよなく愛するテレビ番組のひとつが『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ)で、1986年から2001年まで側用人として出演していた田代まさしと志村の掛け合いは絶品だったという。近年は、どんな罪状や内容でも芸能人が逮捕されるなどの不祥事を起こすと、条件反射のように出演していた作品が片端から鑑賞できなくなる。その対応は適切だといえるのか、ヨシムラ氏が考えた。

 * * *
「あ~あ、せっかくここまでがんばってきたのに……」6日に逮捕された田代まさしのニュースを観た時に漏れた感想である。5度目の逮捕、残念でならない。今回の容疑について本人は否定しているが、薬物に近いところにまだいたのかと、悪い連想ばかりが浮かぶ。

 近年、田代の調子が上向きつつあったので尚更歯がゆい。2度目の出所以降、田代は「今、目の前に覚せい剤を出されたらやっちゃう。前は『やめた!』と言ってたけど、あれは嘘です。覚せい剤はやめられないから怖いんです」と話していた。

 今年の田代は覚せい剤に対して、いい意味で諦めの境地に入っていた。7月にはEテレ『バリバラ~障害者情報バラエティー~』にも出演し、笑いを混ぜつつ覚せい剤について語る講義も行った。人気歌手、タレント、ニュースキャスターに成り上がったのに没落してしまった「芸能界イチのしくじり先生」といったキャラクターも確立され、露出も増えてきたのに……。

 田代の微々たる復活は、個人的に『志村けんのバカ殿様』再放送の兆しと受け取っていた。覚せい剤で逮捕され、2001年に番組降板が完全に決まったあと、『バカ殿様』の放送に田代は再放送も含めて一度も姿を見せていない。何度も逮捕されている人間ではある。しかし、自らの落日を例とし、覚せい剤の恐ろしさを啓蒙する田代に少しの救いがあってもいいと思っていた。その一つとして、過去の傑作が再評価されてもいいのではないか、と。

 確かに逮捕はされたが、彼の罪状は、過去の仕事が全て無かったことにされるほどのものなのだろうか。このような意見を嫌う人がいるのは理解できる。禁止薬物の使用と所持は確かに犯罪だが、直接的に誰かを傷つけたわけではない。家族や、仕事で関わりがあった人たちには迷惑をかけただろうが、築き上げたものを全否定されるほどの犯罪なのだろうか? 田代の金が闇社会に入ったことによってトラブルが生まれた可能性は否めないが、それは間接的な問題である。

 それこそ『バカ殿様』は「誰かを傷つける」といったことの真逆にある作品である。豪華なセットで、志村が扮するバカ殿に田代を含めた側用人集団があたふたさせられる内容。バカバカしくて愉快なコント、準主役の田代は『バカ殿』においては側用人という役柄として画面に存在していた。自らのパーソナリティーを露出したわけではない。喜劇人として全うし、覚せい剤といったダーティーなブツと関連している様子はもちろん観られない。

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン