V9時代を“守備の名手”として支え、長嶋政権で守備走塁コーチも務めた黒江透修氏(80)が、守備の欠陥を指摘する。
「若手の守備が伸びず、セカンドとサードを固定できないのが課題ですね。今季、セカンドでの起用が多かった山本(泰寛、26)が、第2戦ではサードでエラー、第4戦ではセカンドで併殺を焦って悪送球した。4番の岡本もサードで固定したいところだが、日本シリーズでもエラーやミスが目立った。ファーストや外野に回されることもあった。V9時代がそうだったように、常勝球団はポジションを固定できています。
こうした守備のミスが起こるのは、基本ができていないから。守備コーチが“基本のキ”を教えないといけません。基本ができないから応用が利かないのであって、ファインプレーを意識してやるものではありません。秋季練習から来季にかけて、徹底して鍛え直すべきです」
V9時代に内野を全て守れるスーパーサブとして活躍した上田武司氏(73)は、「若手の経験不足」を危惧する。
「山本のエラーが典型で、若い選手が日本シリーズなどの大舞台に立つと、地に足がつかない。そんなに難しい打球じゃないのに後ろへ逸らしています。若さ、経験不足が大きい。若いうちからサードやセカンドなど複数ポジションを守るユーティリティとして起用するのは限界がある。原監督が“コイツで戦う”と決めた選手は固定して起用すべき。そうすれば、自然と大舞台でも安定してプレーできるようになる」