国内

天皇祝賀パレードから思いを馳せた昭和時代の嫁姑関係

祝賀は「令和」の幕開けを実感させてくれた(時事通信フォト)

 体験取材などを得意とする『女性セブン』の名物アラ還ライター“オバ記者“こと野原広子が、世の中で話題になっているトピックに、自由な思いをぶつける。今回のテーマは「令和という時代~式典に思う」。

 * * *
 一点の曇りもない晴天の下、「祝賀御列の儀」が11月10日、行われた。沿道に詰めかけた11万9000人、そして数多の国民の目が天皇皇后両陛下に注がれた。

「この日を迎えられて、ほんとによかったね」と、友達に話しかけるようにテレビ画面に語りかけていた私。

 中継が終わるとほぼ同時に、「テレビ、見た?」と、昭和9年生まれのうるさ型の知人・F子さん(85才)が電話をかけてきた。「美智子さまと同じ年」と言うのが口癖だ。

 彼女は、「公式行事の最中に何度か私語を交わされていたのが気になった」「オープンカーを先に降りた雅子さまが、陛下がお降りになるのを待たれる時、もう少し頭をお下げになった方がいいように思った。美智子さまもそうされていたから」と言う。

「だって、私が若い頃は、舅姑や夫の顔色をことあるごとに窺って、そうすることが嫁の務めだと思っていたんだから」とつぶやいた。

 私も昔を思い出した。38年前、ある家の長男坊に嫁いだ私は、舅姑と同居していた。結婚間もないある夏の日、姑からマヨネーズの保存の仕方で怒鳴られた。空気を入れて逆さにすると腐る。空気を抜いておけ。「お前なんか、嫁でもなんでもない。出ていけ」とまで言われ、私は食事が喉を通らなくなった。2日、3日…食卓に座るものの、5日間、箸が進まなかった。

 マヨネーズの置き方くらいでそこまで言われなくてもいいじゃないか。でも、舅は黙ってみそ汁をすすり、夫はテレビに見入って素知らぬフリをするばかりで、誰も助けてはくれなかった。

 嫁の立場は弱かった。姑の意見には、何でも「はい」。自らの考えを出すことなどあり得なかった。価値観の大きく違う人たちの中で暮らすことが、いかに息苦しいか。私は4年目に逃げ出した。

 それを思うと、今さらながら、皇室という特別な世界に嫁がれた雅子さまのご苦労はいかばかりだったか。

 陛下はもちろん、上皇さま、上皇后さまはおやさしく見守ってくださったように思う。でも周囲にはきっと、前例に従いたい人たちも多くいただろうから、息苦しい思いをされたのではないか。私の経験と同等に論じることなどできないことはわかっているけど、つい想像してしまう。

 昔の空気を思い出すと、F子さんが感じた違和感のようなものはたしかに理解できる。

 でも、その時とは時代が違う、価値観は大きく変わった、と私は思う。

関連記事

トピックス

9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
最新機種に惑わされない方法とは(写真/イメージマート) 
《新型iPhoneが発表》新機能へワクワク感高まるも「型落ち」でも充分?石原壮一郎氏が解説する“最新機種”に惑わされない方法
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン