ライフ

鎌田實医師「血圧は、その気になれば簡単に下がる」

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 好きなことをして死ぬためには、死ぬまで好きなことを続けられるようにする必要がある。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、血圧をコントロールする方法を、実体験をもとに紹介する。

 * * *
 日本高血圧学会は5年ぶりの改訂で、高血圧治療のガイドラインを発表した。高血圧の診断基準は従来通り「収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上」だが、正常血圧を目指して、治療目標を上が130未満、下が80未満に設定した。

 正常血圧はもっと低い。なんと上が120、下は80未満。これを上回るすべての人は、生活習慣を改善したほうがいいということになった。おそらく、読者の多くの人も生活習慣改善が必要になるのではと思う。

 なぜ、これほど厳しく血圧を下げなければならないのか。さては、製薬会社の企みだろう、と考えた人はちょっと陰謀論に毒されている。このガイドラインの根拠の一つになっているのは、2015年11月の医学雑誌『New England Journal of Medicine』に掲載された米国オハイオ州ケース・ウェスタン・リザーブ大学などで構成される「SPRINT(Systolic Blood Pressure Intervention Trial:収縮期血圧介入試験)」メンバーによる研究論文だ。

 対象者は、上の血圧が130~180以上で心血管リスクが高く、糖尿病ではない50~75歳以下の9361人。これらの対象者を、投薬と生活習慣改善によって、120未満を目指す厳格降圧治療グループと、140未満を目指す標準降圧治療グループに無作為に割り当てた。

 その結果、心血管病による死亡リスク、心不全リスク、全死亡リスクにおいて、厳格グループのほうが低いことがわかった。つまり、降圧目標を120未満にしたほうが心筋梗塞や心不全になる危険性が減るということである。

 では、下の血圧はどうなのだろうか。これに関しては、ちょっと意外なデータが出ている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン