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タケモトピアノ そのユニークなビジネスとCM制作の舞台裏

竹本功一会長自らピアノを入念にチェック

「そんな大切なものを引き取るからには、生半可な気持ちではできません。お届けする家庭でも大事に弾いてもらうために、誠心誠意、お客様とピアノに向き合う覚悟でここまで来ました。買い取らせていただいたピアノは、入念に修理と整備を行ない、今では欧米を中心に世界60か国以上の国々に輸出しています」(竹本会長)

 創業の信念を込め、「ピアノ買取り」という馴染みの薄いビジネスを広く知らしめるために制作されたのが、コメディアン・財津一郎氏を起用したCMだった。財津氏のギャグ「~してちょうだい!」を取り入れ、軽妙な振り付けの演出によって視聴者の目と耳に鮮明に焼きついた。

 自宅療養中の財津氏が取材に答えた。

「ピアノから奏でられる美しい音で救われた人はたくさんいるはずで、私もそのうちのひとりなんです。当時のタケモトピアノは、買い取ったピアノを東南アジアの貧しい小学校などに送るボランティアをしていました。こんなに素晴らしいことはないと、快く引き受けました」

 CM撮影が行なわれたのは、財津氏が脳内出血で倒れて休業していた1997年で、復帰後初の仕事だった。手術で剃ることになった頭髪が伸びず、五分刈り姿だったが、軽妙なステップと歌声を披露した。

 このCMを観た子供がなぜか泣き止む、とメディアで取り上げられたことはよく知られたエピソードだ。

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