実は私、パーティーピーポーの男友達のお供で、せっせと政治家の資金集めパーティーに参加していた時期があるの。
初めて安倍晋三さんを間近で見たのは、次期総理大臣の呼び声が高まっていた幹事長時代だ。宴半ば。彼が自民党の先輩議員の会の会場に入ってくると、「ほぅ」とも「はあ」ともつかない声があがったの。
短いスピーチをすると、独特の光を放って私の横を速足ですり抜けていった。そのさわやかさと時の人である力強さと育ちのよい物腰に、こういう人が総理になるんだなと心強く思ったんだよね。
その人が今、年若い総理番の記者に囲まれて、「すでに申し上げた通り…」「何度もご説明いたしましたが…」を繰り返している。
人は、語る言葉より目の動きや顔つきの方が雄弁なんだよね。特にアップでとらえるテレビカメラの前では。「では次の質問を」と言う時の視線は、“桜”関係の話から逃げたいのが丸わかりだって。
政治に関心のない若者たちも眉をつり上げて言ってたよ。
「アベ、まじヤベー! 私たちの税金が、浮かれた飲み食いに消えてくのってヤベーよ、超危ねーよ!! 消費税を上げといて、こんなことにも税金を使ってたなんて、やってられないよ。ただでさえ天災で大勢のかたがたが苦しんでいるのに、5700万円超の国税を投入してドンチャンやらかそうとしてたなんて――アベたちはいったい何してんだよ!」
思わずうなずいちゃった。
※女性セブン2019年12月5・12日号