人々の心がどことなくギスギスして、自分のことで精一杯で他人を思いやる余裕がなく、否定や分断の言葉ばかり飛び交う現在、自ら進んで笑顔になり、そのことで周囲も笑顔にできるスポーツボランティアは貴重な存在だ。少子高齢化のなかで家族や地域社会といった昔ながらの共同体が崩壊し、孤独を抱えて生きがいを失う人が増えるなか、いろいろな立場の人と“つながる場”としてのスポーツボランティアには大きな意義がある。
日本にはプロ野球やJリーグ、Bリーグなど地域に根差したプロスポーツがあり、市民マラソンや地域のスポーツといったアマチュアスポーツも盛んだ。東京五輪・パラリンピックも含めて、スポーツボランティアに参加する機会には事欠かない。
かつてマザー・テレサは「笑顔は想像できないほどの可能性をうむ」と語った。人々を笑顔にするスポーツボランティアも、想像できないほどの可能性を秘めている。
●取材・文/池田道大(フリーライター)