地球には、不老不死と呼ばれる生物も存在する。そう聞くとうらやましさを覚えるが、今泉さんは「寿命」のある素晴らしさを語る。
「ベニクラゲは現存の生き物として唯一、寿命で死ぬことがありません。年を取ると体が変形して、赤ちゃんに戻る。ただし、もちろん魚に食べられれば死にます。
生命が誕生した時は、おそらく、どの生き物もベニクラゲのように寿命がなかったと思われますが、それでは大きな環境の変化があった時、適応できない個体だったら種が全滅してしまう。しかし寿命があって、それまでと違った新しい形質を持った子孫を残すことができれば、変化する環境に適応できて生き延びるかもしれない。進歩は寿命のおかげなのです。そう考えれば、寿命は決して怖いものではありません」
今泉さんは、人間も「いきもの」の一種だということをつねに忘れないでほしいと話す。特別な存在ではなく、「ざんねん」な経験も糧にして生きている仲間なのだ。
※女性セブン2019年12月5・12日号