最後に11月1日に開業した「アゴーラ・金沢」へ。片町の好立地にダークトーンの存在感ある外観が印象的だ。賑やかな繁華街にあって金沢の雅を感じるホテルの中は別世界。レセプションのある2Fはラウンジを中心に大浴場(パブリックバス)を備える。また、ウォークインでも利用できるスパトリートメントを設け、宿泊特化型が席巻するエリアでの差別化を狙う。
1FのDining Sohza(ダイニング・ソウザ)で提供される朝食は圧巻。周辺ホテルを徹底リサーチしたのだろうが、豊富なご当地メニューに加え、取材時には鰤のにぎり寿司まで提供される充実の内容だった。ディスプレイ、食器などへの気遣いも一級だ。アゴーラのホテルで活躍してきた総料理長を起用、周辺ホテルとの違いを打ち出している。
今回は宿泊主体の同クラスホテルを3軒取材したが、金沢エリアでは2019~20年度にかけてさらにホテルが開業、2018年度末のストックと比較して客室数が3割も増えるという。2020年6月には外資系高級ホテルも開業予定だ。
簡易宿所からビジネスホテル、シティホテルを交えた金沢の「ホテル戦争」は、まだ始まったばかりといっても過言ではない。