「次の大関候補もいない。ガチンコが増えた影響ですが、協会が昇進のハードルを下げようにも、思惑通りに進まない。八角理事長(元横綱・北勝海)は同じ高砂一門の朝乃山(小結)に期待を寄せ、メディアもさかんに“今場所12勝なら来場所が大関取り”と報じたが、千秋楽で正代(前頭10)に敗れて11勝に終わった。大関に一番近かった関脇・御嶽海は6勝9敗と負け越した上に、12日目には星を伸ばしていた朝乃山に勝ってしまった」(ベテラン記者)
ガチンコ相撲は星の潰し合いになるので、“大関候補づくり”に限界があるのだ。
「大関が1人もしくはゼロになると、番付表では横綱が大関を兼ねる『横綱大関』が置かれる決まりだが、そんな興行的な危機さえ現実味を帯びてきた。だからこそ横綱の白鵬と鶴竜には長く残ってもらうしかない。当面は白鵬の機嫌を損ねない方針ではないか」(同前)
その結果、国技の最高位の品格が損なわれては、何の意味もないのだが。
※週刊ポスト2019年12月13日号