ライフ

「ジーンズにジャケット」のビジネスマンは大抵年配の理由

「ジーンズ+ジャケット」のビジカジスタイル

「ジーンズ+ジャケット」のビジカジスタイル

 近ごろ、若者を中心に“ジーンズ離れ”が叫ばれているが、それはカジュアル化の進むビジネススタイルでも顕著に見られる傾向だ。ひと昔前はIT企業などでジーンズに革靴、上着はジャケットの若手社員も多かったが、いまは40代以上に限られるスタイルになったという。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、“ビジカジ”の最新トレンドをレポートする。

 * * *
 ビジネススタイルのカジュアル化(ビジカジ)は年々進んでいます。これについての賛否は様々ありますが、欧米でもビジカジは進んでいると聞きますから、好むと好まざるとにかかわらず、日本でも進んでいくのは仕方のないことだと思います。

 最近、街行く人のビジカジスタイルを見ていて、ちょっとした傾向があることに気がつきました。それは、ビジカジスタイルでジーンズを合わせている男性は、40代以上の年配男性に圧倒的に多く、20~30代前半の若い男性が少ないことです。特に「シャツ+ネクタイ+テイラードジャケット+ジーンズ+革靴」というコーディネートは40代以上に限定されているように感じました。

 いま、ジーンズカジュアルチェーン店各社の苦戦が伝えられていますが、ジーンズというアイテムが、デイリーカジュアルだけでなく、ビジカジスタイルでも若い男性から選ばれにくくなっているのです。

 振り返れば、2005年~2007年頃までは、ジーンズはマストレンドのアイテムでした。このころはちょうど、形としてはブーツカットジーンズ人気がピークで、特に欧米ブランドの2万円~3万円もするような高額インポートジーンズが持て囃されました。

 セブンフォーオールマンカインドやヤヌーク、AG、シチズンズオブヒューマニティ―、トゥルーレリジョンなどのブランド群です。メンズというよりはレディースが牽引した人気でしたが、その人気はメンズにも飛び火しました。

 これらのブーツカットジーンズに「シャツ+ネクタイ+ジャケット」というコーディネートが新たなメンズビジカジスタイルとして注目され、服装規定の緩い広告代理店やアパレル企業、IT企業などで働くビジネスマンがこぞって着ていました。

 その後、ジーンズのトレンドは2008年にブーツカットからスキニーに移り、2015年ごろからは腰回りがゆったりして先細りした(テイパード)シルエットに移り、今に至ります。ブーツカットジーンズの流行から12~14年が経過していて、当時の30歳男性も現在42~44歳くらいになっています。

 つまり、高額インポートジーンズ全盛期だった時期にジーンズビジカジを愛用していた層に限って、40代以上となった今もジーンズビジカジを愛用しているのではないかと思われます。ジーンズのトレンドはブーツカットではなく、細身ストレートやテイパードなどに変わっていますが、コーディネートの根幹は当時のままです。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン