中国のフリマアプリに出品されていた旧日本軍関連の物品(筆者提供)
日中関係の緊迫が続くなか、現地で新たな「反日ビジネス」が急拡大しているという。中国のフリマサイトで旧日本軍の「戦争犯罪の証拠」と称される物品が、高値で売買されているというのだ。中国事情に詳しいフリーライター・廣瀬大介氏がレポートする。【前後編の前編】
4つで2万3000円
戦後80年を迎えた昨年、中国では旧日本軍の731部隊の人体実験・細菌戦の実態を描いた映画『731』、南京事件をテーマにした映画『南京写真館』などの作品が立て続けに公開された。
歴史問題に焦点を当てる動きのなか、中国のIT大手アリババグループが運営するフリマアプリ「閑魚」で、日中戦争に関する旧日本軍関連の物品が数多く出品されていることが判明した。
物品の説明文には「日軍 罪証(※「軍」と「証」は簡体字、旧日本軍 罪の証拠)」といった、共通したキーワードが確認できる。出品されているものを見ると映画『731』の関連グッズも含まれ、戦時中のものとみられる物品にしても「軍隊手帳」「出征幟」「軍事郵便」など。販売されているものの多くは旧日本軍による戦争犯罪の証拠になるとは思えないような物品だ。
コメント欄には、「我々中国人の悲劇を証明する貴重な資料だ」「動かぬ歴史の証拠だ。明らかとなっている日本の悪行は氷山の一角だ。あの暗黒の歴史は永遠に世界に刻まれるべきだ」などの言葉が並んでいた。
なぜ中国でこうした“商品”が大量に出品されているのだろうか。入手ルートや物品の真贋の検証のため、複数の関連商品を購入することにした。今回、閑魚で購入したのは「旧日本陸軍の軍隊手帳」「日本駐北京総領事館に提出された個人の印鑑証明」「第1820部隊(満州に展開していた関東軍補給監部)の部隊名変更通知書」「中国から日本に宛てた(日本軍人の)葉書」。4つ合わせて1029元(日本円で約2万3000円)だった。
