国内

沢尻エリカ逮捕の組対5課、マトリとの違いや役割は?

「組対」という組織の役割は?

「組対」という組織の役割は?

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、沢尻エリカ逮捕でも注目を浴びる、通称「組対」という組織の活動内容について解き明かす。

 * * *
 麻薬取締法違反の罪で起訴された女優の沢尻エリカ被告が、保釈金500万円で12月6日に保釈された。彼女を逮捕したのは「警視庁組織犯罪対策5課(組対5課)」だ。

 違法薬物と聞くと、まず“マトリ”と呼ばれる「厚労省地方厚生局麻薬取締部」を思い浮かべるかもしれない。3月に逮捕されたピエール瀧、5月に検挙された田口淳之介、11月に逮捕された国母和宏もすべて挙げたのはマトリ。組対5課も過去には2016年2月に清原和博、2014年5月にはASKAを逮捕しているが、このところ有名人を続けて挙げて名を上げているマトリと比べると影が薄い。

 では、組対とは、そもそもどのような組織なのか?

 組織犯罪対策部、通称“組対”が警視庁本庁に設置されたのは2003年(平成15年)4月。暴力団や凶悪化する中国人マフィアらによる組織的な犯罪、外国人による麻薬密売、窃盗団などの犯罪の増加に、情報を一本化して総合的な対策を採るために設置された。同時に、手口が巧妙でわかりにくくなってきた暴力団犯罪を捜査、摘発する目的で作られた部でもある。

「準備するまでが大変でした。外国人犯罪と暴力団などによる組織犯罪、銃や薬物対策までを1つの部で捜査するのですから」

 当時、組対の設置に携わった警視正はそう話す。

 組対は課ごとに分かれ、1課は外国人犯罪の中でも入国管理局と共に動くことも多く、不法滞在や密入国など入管法違反の捜査や地下銀行などの犯罪を、2課は外国人による凶悪事件や殺人事件を扱う。3課は暴力団対策法に関する事案や総会屋対策、4課は暴力団対策で“マル暴”と呼ばれてきた課であり、5課が銃器や薬物対策を行う。他にマネーロンダリング対策を行う総務課や組織犯罪対策特別捜査隊がある。

「外国人と暴力団とでは取り締まるための法律も異なれば、捜査手法もまるで違います」

 それだけではない。そもそも課ごとに属している刑事たちの毛色や雰囲気が違うのだ。例えば1課の刑事はスーツ姿で、どこにでもいるビジネスマン風だが、4課の刑事はその筋の者が好みそうな格好といかつい風貌といった具合だ。話し方も態度も異質。それを1つの部としてまとめるには様々な苦労があったのだろう。

 そこを突っ込むと、警視正はこう言葉を濁した。

「皆さん、それぞれ意見をお持ちで…。私はそれを調整するため廊下を行ったり来たりしただけです」

「当時、来日外国人の犯罪は前年比約112%とウナギ登りに増加。組対が設置される前、外国人犯罪を主に扱っていたのは国際捜査課でしたが、殺人や強盗、窃盗は刑事部、薬物や銃器の密輸は生活安全部、密入国は公安部と事案によって担当の課がバラバラだったのです」

「蛇頭(じゃとう)」など中国人による組織的な密航の増加や不法滞在者の増加、それに伴う窃盗や緊縛強盗、クレジットカードの偽造や不正使用など組織的な犯罪が急増。新宿では中国人や外国人による凶悪犯罪の増加と治安の悪化など、外国人犯罪が多様化し複雑化、組織化してきた時期だ。

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン