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羽生結弦が描く2022年・北京五輪“逆転劇”の胸算用

2022年の北京五輪では圧勝か(共同通信社)

 封印していた4回転ルッツを2年ぶりに成功させ、演技終了後は氷上にうずくまりしばらく動けなかった。すべてを出し切ったが、ライバルには及ばなかった。羽生結弦選手(25才)の「キャリアの終焉」をささやき始めたメディアもある中、本人はそれでも前を見据えていた──。

「今に見とけよって感じ」、「点数ほど大きな差はない」、「勝負には負けているけど、自分の中の勝負にはある程度、勝てた」。完敗後、メディアのインタビューを受けた羽生結弦選手(25才)は、驚くほどポジティブな言葉を連発した。これは「強がり」なのか、それとも「自信の表れ」か──。

 12月7日、イタリアのトリノで開かれたフィギュアスケートグランプリファイナル(以下GPファイナル)の男子シングルの栄冠は、史上最高得点を叩き出したネイサン・チェン選手(20才)の頭上に輝いた。これで、GPファイナルは3連覇となる。

 ショートプログラムで2位につけ、3年ぶりの返り咲きを狙った羽生選手は結果的に、40点以上もの大差をつけられ2位のままだった。

「ショート、フリーともほぼノーミスのネイサン選手の演技の安定感には脱帽です。まだ20才ですから、これからますます技術にも表現力にも磨きがかかっていくでしょう。一方の羽生選手はジャンプのミスが続くなど体力の衰えも見られました。年齢を考えても、今後ネイサン選手を抜き返すのは簡単なことではありません。一部では“レジェンドの引退”もささやかれ始めています」(フィギュアスケート関係者)

 しかし、羽生選手自身はこの敗戦を受けて、冒頭のように前向きな発言に終始したのである。

「既に気持ちは12月19日開幕の全日本選手権に向けて、切り替えています。全日本の次のターゲットは、2020年3月にカナダのモントリオールで開催される世界選手権になるでしょう。その調整に集中するため、韓国で2月に行われる四大陸選手権には出場しないと思われます。

 彼は元来、弱音を吐かないタイプですが、根拠がない自信を持つタイプでもない。“秘策”をモチベーションにしているはずです」(スケート連盟関係者)

 年が明ければ、北京で開催される次の冬期五輪まで残りわずか2年。前人未踏の3連覇に27才という年齢で挑む羽生選手は、どのような“逆転劇”を描いているのだろうか。

 実は、そのヒントとなりそうな重大発言が、11月下旬のNHK杯の直後に、羽生選手自身の口から飛び出していた。

「この大会で優勝した羽生選手が、“いつかロシア人コーチに師事してみたい”と初めて明かしたのです」(前出・スケート連盟関係者)

 今、フィギュア界ではロシア勢が席巻中だ。

 今回のGPファイナルでは、女子の表彰台をコストルナヤ選手(16才)、シェルバコワ選手(15才)、トルソワ選手(15才)のロシア勢が独占したが、彼女たちは全員がロシア人のエテリ・トゥトベリーゼコーチの指導を受けている。

「トゥトベリーゼ氏は、鉄の女という異名を持つほど笑わないコーチとして有名で、練習で150%、本番では110%の力を出すというモットーのもと、練習から全力を尽くすようにと厳しい指導をしています。その成果か、エテリ組と呼ばれる教え子は、女子ながらいとも簡単に4回転を跳ぶ選手ばかり。

 今、ロシア=4回転先進国というイメージが、フィギュア界にはあります。羽生選手が、ロシア人コーチに興味が湧いている理由もそこにあるはずです」(前出・フィギュアスケート関係者)

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