芸能

2020年の芸能界で注目は斉藤由貴ら80年代アイドルの怪優化

斉藤由貴

 東京オリンピックが開催されるオリンピックイヤーでもある2020年。芸能界ではどんなことがブームになるのか? コラムニストのペリー荻野さんが独自の視点で分析する。

 * * *
 そんなわけで明けました2020。ここでは今年、テレビでこんなことが起きるかも?ということを考えてみたい。

 まず、「ドラマは忘れた頃にやってくる」ということ。昨年末、『ドラゴン桜』続編製作という話が出てきた。『ドラゴン桜』といえば三田紀房の人気漫画を原作に2005年、阿部寛演じる元暴走族のリーダーだった弁護士が、個性的な講師とともにダメ生徒たちを徹底的に指導して、東大合格を目指すというドラマ。独自の勉強法も話題になり、生徒役の新垣結衣や山下智久、小池徹平らがブレイクするきっかけともなった。

 今観ると、茶髪にルーズソックス、だれーんとした制服姿の生徒たちの姿に懐かしさを感じるが、阿部寛はほとんど変化してないことに驚く。昨年の『結婚できない男』と同様、ドラマは忘れた頃にやってくるが、阿部寛はいつもそこに同じ顔でいた…。続編では長澤まさみが教師役といわれるが、当然、各芸能事務所一押しの若手を生徒役に推薦しているはず。その顔ぶれに注目だ。

 阿部寛とは対照的に大いに変化して今年活躍しそうなのが、80年代デビューのアイドルたち。「怪優化に注目」だ。

 年末に放送されたフジテレビの『悪魔の手毬唄』。加藤シゲアキの名探偵金田一耕助第二弾で、かつて金田一を演じた古谷一行との共演も話題になったが、それよりも目立ったのは、それぞれワケアリの娘を抱えた三人の母親たち。斉藤由貴、国生さゆり、有森也実だ。三人に事情を聞こうとしても、フンと鼻であしらわれるシゲアキ金田一。殺された娘の父親の写真がないかと聞けば「そんなもんありゃせん!!」と吹き飛ばされそうになっていた。そりゃそうだ。なんたって元スケバン刑事とおニャン子とキネマの天地なのである。貫禄が違うというものだ。

 1966年生まれの斉藤、国生、1967年の有森。アイドル時代をよく知る世代としては、彼女らが母親役で貫禄を見せ、犯人でもないのに妖気を漂わせるというのは、なかなかに感慨深いが、今後、朝ドラの母親役や深夜ドラマの不思議ムードのおばさん役など、活躍の場は広がる。おお、向こうから薬師丸ひろ子(1964年生)が手招きしているではありませんか! かつては飛んだり跳ねたりドラマを軽やかに盛り上げた彼女らが、今や出てくるだけでどっしりと濃厚なキャラに。どんどんドラマを騒がせてほしい。

 そしてもうひとつ今年のテレビで注目は、誰が東京オリンピックを盛り上げるか。開催中は各局、オリンピック一色になり、それぞれ独自のサポーターを用意するが、その中で誰が面白くするのか。調べてみれば、前回1964年の東京オリンピックの開会式当日は、日本テレビの司会者が坂本九、TBSにはゲストに石原慎太郎、フジテレビには木下恵介監督、テレビ東京は司会が高橋圭三、有吉佐和子、NETテレビ(テレビ朝日)は、『いだてん』の主役になった金栗四三ほか元五輪選手や森繁久彌、三波春夫らが出演している。渋い。チャラチャラ感ゼロ。この顔ぶれが時代を現しているといっていい。

 今大会では、新年早々NHKでオリンピック番組を担当する「嵐」の動き、開催時に各局誰をゲストに招くのか。よくよく記憶しておきたい。

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン