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高木守道氏、10.8決戦で監督辞めたら格好良かったのにと回顧

名二塁手が歴史的決戦を振り返る(時事通信フォト)

 中日一筋21年で通算2274安打、ベストナイン7回、ゴールデングラブ賞3回などの成績を残した名二塁手・高木守道氏(78)。現役引退後もコーチ、監督として中日に献身した高木氏の実績で印象に残るのは、監督3年目の1994年に巨人と同率首位で迎えた「10.8決戦」だ。あの試合をやり直すことができたらと考えたことはあるのか、高木氏に聞いた。

 * * *
 あの試合をもう一度やり直したら? 秘策があるならやり直しもしてみたいけど、秘策がないんだもの。恥の上塗りですわ(苦笑)。

 私は3年契約の最終年で、7月に解任報道も出ていたので、最後まで戦い抜こうという気持ちでした。そこで最終戦では、ナゴヤ球場での巨人戦に11連勝中の今中慎二にすべてを託すつもりでマウンドに送り出した。巨人キラーの今中なら、と中日有利の事前予想が多かった。

 しかし、蓋を開けてみると巨人は斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄とオールスターゲームのような継投をしてきた。仮に中日が今中、山本昌、小松辰雄、郭源治と継投しても、勝てなかったんじゃないか。

 あの年は立浪(和義)や種田仁など、若い選手が頑張ってくれました。しかし、勝ったら優勝が決まるという天下分け目の大勝負で、若い選手がガチガチになって当たり前。彼らが普段通りの実力を発揮できなかった。優勝が決まる最終戦が「130試合分の1」ではないという認識に欠けていた。私の経験のなさですね。

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