いずれにせよ、遠からず行われるであろうヴェゼルのフルモデルチェンジ。その前に筆者は久々に現行モデルを借り受け、山岳路を走行してみた。
デビュー当初は素晴らしい居住性、ユーティリティの高さと、ひどく乱暴な乗り心地が同居したクルマであったが、顧客からのコンプレイン解消に懸命に取り組んだか、現在では初期型のように突き上げるようなショックに見舞われることはなくなっていた。
サスペンションストロークに限りがあるため、大きな段差やうねりの多い道では本格SUVのように柔らかく受け止めるのが難しくなるが、普通の路面では非常にコントローラブルで、敏捷性はSUVとしてはかなり優れた部類に入ると思われた。
基本設計に手を入れられるフルモデルチェンジでこのヴェゼルがどう変わるか──。それによって、“SUV戦国時代”の様相を呈している日本市場の勢力図の行方が大きく左右されるのは確実なところ。早ければ今年後半、そういう局面を目にすることができるのではないか。