◆志望動機の一番は「大学合格実績」

 とりわけ前年より伸ばしている前出の巣鴨、世田谷学園、攻玉社、早稲田の4校だが、早稲田だけは少しニュアンスが異なる。昨年、付属校志向が強い中で例外的に大きく減らしていたので、その反動の隔年現象と見ていいだろう。

 ほかの3校の人気が高まっている最大の理由は、やはり大学合格実績だ。この3校は偏差値からすると難関大学の合格実績が極めて高い。

 2019年春の実績で言えば、東大は3校とも15名以上(巣鴨は21名)、早慶は攻玉社が182名、世田谷学園が168名。巣鴨は88名と少ないが、その分医学部に強いという特徴がある。ここまで難関大学の合格実績がいいのであれば、中学受験の段階でなにも付属校を選ぶ必要はないと判断したのだろう。

 また、保護者や塾は直近の偏差値ではなく、2019年春の卒業生が受験生活をスタートさせた7年前の偏差値も見ているので、この3校をよりすごいと認識して志望したと思われる。

 ちなみに、四谷大塚の合不合判定テスト(第1回)で7年前と直近(2019年)の偏差値を比べてみると、巣鴨57→52、世田谷学園56→53、攻玉社57→55となっている。いずれも今の偏差値以上に実力のある進学校であることが再認識できる。

◆訪れたらイメージと違った!

巣鴨中学校・高等学校の校舎(同校HPより)

巣鴨中学校・高等学校の校舎(同校HPより)

 特に巣鴨、世田谷学園には昨年大きな変化があった。2月1日の午後に「算数入試」を実施したのである。午後に行うということで、午前入試だけだった時代には足を運ばなかった層が受験の可能性があると学校説明会に参加したのである。

 その結果、巣鴨には大学受験に注力しているようなイメージしか持っていなかった保護者が、以下のようなまったく知らなかった学校の側面を知り、評価することになった。ある意味、新鮮な驚きが志望につながったといえるだろう。

・首都圏でイギリスの名門パブリックスクール、イートンのサマースクールに選ばれた最初の男子校。
・オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の卒業生で社会人として活躍している講師による国内版サマースクールの実施。

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